私はトライアル自転車を初めてから3年ほどたちました。下手なりにとても楽しめています。そんな私からこれからトライアル自転車を始めようと思っている方の参考になればと思い書いておきます。
トライアル自転車とは?
トライアル自転車とは、決められたセクション内を制限時間内にできるだけ足をつかずに走破する競技です。片足をついた場合1点加点され、5点になると退場となります(両足をついてしまうといっきに5点!)。大抵は足をついてしまうことが前提でセクションが作られていて5点にならない様にいかに走るかが肝になります。バイクトライアル、バイシクルトライアル、BTRなどとも呼ばれます。
また、競技から派生する形で、競技ルールにはとらわれずにトライアルのテクニックを使って街中のオブジェや、スケートパークで自由に乗るストリートトライアルと呼ばれるジャンルがあります。
トライアル自転車の魅力
トライアル自転車の魅力って何だろうか?と考えた時に思い浮かぶのが、道・コースを必要とせずにどこでも楽しめるところだと思います。上級者になれば自転車を楽しむ方法が走っているところを想像ができないようなラインでも遊べるので、トライアル自転車・ストリートトライアルは、自転車を最大限に楽しむ最適解だなと感じています。そして初級者でもそれを十分に体感できるところが良いところだと思います。
トライアル用自転車の特徴
サドル無しが主流?
トライアル自転車に使われる自転車はよくBMXと間違えられますが、実は全然違います。特徴は、サドルが無いことではないかと思います。トライアル競技では椅子に座ることは無いため、軽量化のために不要なサドルがついていないことが多いです。
ストリートトライアル自転車に関しては移動することや、スタイル、場合によっては挟み込んだりしてサドルを使うことがあるのでサドル付きが多いです。
実はトライアルの20インチのホイール径は前後異径です
タイヤサイズは主に3サイズがあり、26インチ、24インチ、20インチがあります。中でも20インチは特殊で、フロントホイールはBMXなどと同じ20インチでリアは19インチの前後異径となっています。
サイドウォールが薄く軽いタイヤが多いです
スピードゼロの止まった状態から、一気に飛ぶ様な動きが多くあるトライアルでは、軽いことがアドバンテージがあります。そのためタイヤもマウンテンバイクなどのタイヤと比べてサイドウォールが薄いです。また、薄さだけではなく内部の空気が潰れたときの反発を利用してアクションするために、強い反発が得られる工夫がされているタイヤが多いです。乗る場所によって適した空気圧にしなければすぐにパンクします。乗る方の体重にもよるので空気圧の適正値は人それぞれです。
BBの位置が高いです
障害物にクランク周りが干渉しない様にするためなどの理由で、BB(ボトムブラケット)の位置が高い自転車が多いです。
長いステムでスペースを確保しています
ステム(フレームとハンドルを繋ぐパーツ)が長く、乗車中に体を大きく動かせる様になっています。
強力なブレーキが必要です
しっかり止まることが要求されるトライアルではブレーキはとても重要です。よく使われるのは油圧リムブレーキと、油圧ディスクブレーキです。油圧リムブレーキは26インチで使われることが多く、油圧ディスクブレーキは20インチで使われることが多いです。26インチだとホイールが大きい分ディスクブレーキだとよれてしまうので、ホイール自体を掴みこむリムブレーキが主流なのだと思います。
利用されるブレーキブランドはHOPEやMAGURAが多いです。最近では完成車にSHIMANOのブレーキが使われることがあったり、Jitsieは自社ブレーキを開発していたりします。
シングルスピード(1速)がほとんどです
昔は競技のレギュレーションで変速機とギアの装着が必須だった様ですが、私がトライアル自転車をはじめた時には、既にそのルールは無く、変速機が無いシングルスピードの自転車がほとんどになっていました。
トライアル自転車の選び方の基本
大前提として言えるのはトライアル用・ストリートトライアル用、もっと言うとマウンテンバイク、BMX、ロードバイク、グラベルバイクでもトライアルは楽しめます。なので見た目が気に入った自転車を選び、お気に入りの自転車でトライアルを初めるのが良いです。やりたいことが見えてきてから乗り換えや、増車でも良いと思います。
とはいえ、それぞれの自転車に特徴がありますので下記の様な基準で選ぶのも良いと思います。
1.トライアル競技会などに参加して上位を目指したい方
断然トライアル専用車が良いです。
初めたばかりの段階ではトライアル専用車の良さは感じれないかもしれません。しかし、上達するにつれて理にかなった作りであることが理解できると思います。
また、大抵の上級者は専用車に乗っていますので自身の状況との違いを把握して改善していくには分かりやすくて良いですね。
2.身近な場所でトライアル自転車を楽しみたい方
リジットMTBがおすすめです。普通の自転車と大きく違わず、専用車の様にピーキーではないのですぐに慣れると思います。
移動をしながらちょっとした地形やオブジェでトライアルを楽しむのに最適です。
また、初心者・中級者クラス程度のトライアル競技大会に参加するにしても、自転車が障害となることは無く、技術力でカバーできると思います。
3.スケートパーク・ストリートライディングを楽しみたい方
ストリートの基本テクニックのバニーホップや、スケートパークのバンクtoバンクやRで飛んだりすることが多いと思います。
MTBだとディレイラーなどが暴れて邪魔であったりぶつけて壊すリスクが高いです。また専用車だと強度的な問題や、乗ってみると分かりますがストリートライディングで基本となるバニーホップが難しいです(できないことは無いです)。そうなると、シンプルな構造でなおかつ専用車やMTBよりも強度を確保して作られているストリートトライアル自転車がおすすめです。
ストリートトライアルの自転車で多いのは24インチの自転車です。そして26インチ、20インチの自転車があります。最近ではInspired Bicyclesから22インチの自転車も出ています。
大きく3つのタイプを上げてみましたが、最初に書いた大前提が一番重要だと思います。気に入った自転車で楽しむのが一番です。また、安心・信頼できるのは専門店で買うことですが、ヤフオク等で中古で買ってまずは始めるのも全然ありだと思います。
トライアル自転車やストリートトライアルには多くのメーカー・ブランドがありますので色々見たり、試してみて決めてみてください!